上山者(参禅者)の声

 永源寺の生活は、坐禅や読経などの他、境内の掃除や、典座寮(台所)における日常のおつとめをはじめ、時には托鉢をしたり、裏山の草木を切って生け花をしたり、法語作成のために漢字(平仄や韻)を学んだり、習字の練習をしたり、お袈裟の把針(縫うこと)をしたりと、季節に応じて様々です。 大自然に囲まれた環境に加え、地域の人々と共に行持(ぎょうじ:行は修行、持は護持・継続の意)をつとめている永源寺には、時々、参禅希望や修行希望の方が来られますが、その方々にこの寺についての感想文を書いていただきました。 どうぞ御一読下さい。

坐禅体験感想  中村亮太 

土曜日、夜七時三十分から開催されている、坐禅会に参加させて頂きました。作法について何も知りませんでしたが、住職さんの説明を聞きながら一緒に作法を行い、姿勢、呼吸法について教えて頂き、坐禅を開始しました。

静かで集中できる環境の中、深呼吸を繰り返しました。暫くすると自然と体の力みが消え、お腹に少し力が入り姿勢も安定してきました。頭も徐々にスッキリする感覚があり、その影響もあるのか、普段考えないような事が頭に浮かんできました。しかし、囚われないように深呼吸を繰り返しました。

頭に考えが浮かんでは消え、浮かんでは消え、とそれに合わせ自然と呼吸も浅く、深く、と不規則に変化しました。不規則に変化する時間を越えて、終盤は規則的に深呼吸を行いながら坐禅が出来ました。

素人ながら、調えれたかな?と手応えを掴みつつ、坐禅が終わりました。普段意識して呼吸しませんが、深呼吸を繰り返すと体の力みが消え、頭がスッキリしたのは面白い体験だと感じました。「調える」感覚を大事にしようと感じ、日常生活の空いた時間に坐禅を取り入れようと思います。